願望・役割・徹底
以前実施したモチベーションサーベイを取り出した。このようなサーベイは部署ごとの集計と自由意見をまとめて報告するのが一般的である。このサーベイでもこの約束で実施し意見を書いてもらっている。しかし集計中にきわめて目に留まるものがあった。報告書には書かなかったが後で分析してみた。
人材とは能力があってしかもやる気がある人であると考えていた。式で 人材=能力×やる気である。能力は智恵と技能で表され、やる気は使命感があり、積極的態度が必要である。今でも一般的には通る考えである。しかし、中堅幹部はあの手この手だけでは十分に世のため自分のために力を発揮できるものではない。途中で挫折しないためには全人格的なものが必要と考えるようになった。
こんな背景の上にこのモチベーションサーベイは「モチベーションの期待モデル」を頭に置いてサーベイを組み上げた。
モチベーションの期待モデル:(努力→成果の期待)×入手性×欲求の魅力度
従ってサーベイの質問詞は3分野に分けた。さらにその中は11部門になった。
(分野) (部門)
1.仕事全般 1A仕事 1B仕事の期待 1C仕事のスタイル
2.入手性 2A事業 2B経営者 2C入手性(上役の管理)
3.欲求の魅力 3A給料3B労働条件、職場環境3C仲間、コミュニケーション
3D自分の役割、尊厳 3E自己実現
欲求の段階はマズローの欲求の段階説を応用した。また1Aは現実の仕事であり、3Eは自己実現のためこんな風に仕事をしたいと同じ仕事でも区分している。
質問詞の順序は上記の順序そのままでなく答えやすいものを先にした。採点は強い肯定3点、肯定1点、否定△1点、強い否定△3点と2点差にした。平均点の問題と、△3点とした人の意味は強く考えねばならない問題という考えである。(注 △:マイナス)
各部門を集計していると、ある部署で極めて高い採点の人A氏と、極めて低い採点の人B氏が目に止まった。概況を述べる。B氏は1Aから現在の仕事を移りたいと思っており、1B全体から現在の仕事に自信を持っていないことが分かる。2Aで会社の幹部から会社の将来を聞いていないとし、2C入手性(上役の管理)計はA氏△4、B氏△8とA氏もB氏も疑問を感じているが、レベルの差は大きい。特にB氏は給与の決め方は不公平、上役は仕事の成果を認めていないとしている。3A給与は世間並み以下、3C上役は意見を受け入れてくれない。3Dで仕事は任せてくれない、同じく昇進の機会はないと諦め、3Eは仕事のやりがいを感ぜず、これでは本人は伸びようがない。この人は本人の意識面から直さねばならないのではないかと思った。
力が発揮できないB氏とは面接はできないが全般の状況からストレスがたまりバランスを失っているのではないか。本を読むとEQ(心の知能指数)が業績の75%を決めるという。EQを高めるとは 1、自分の感情を知りコントロール出来る。2、他人の気持ちを推察し共感できる。3、希望を維持し動機付けできるとなっているが、これを進めることは容易ではない。私自身もストレスは感じるし心の滞りは生ずる。その時は「願望・役割・徹底が強みを作り明日を創る」と唱え次をチェックする。夢・ビジョンが必要である。謙虚に学び、心を浄化し、志を立てる。役割は自己実現の場である。自己実現とは潜在能力を開花させることである。いくらいい墨を持っていても、硯がなければ墨をすれない役に立たない。徹底は徹底的にやること。集中してやること。いかに集中するかは、気功で習得した。これにより自分の強みを作り明日を創る。これは自分の生き方を知り自己の再発見となる。
松井義近
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