グローバルバブル崩壊の前兆は?
日本でも1980年代のバブル時、株式も不動産も過熱し、その崩壊で経済が長い間低迷した。人間はそんな経験を持ちながら、過熱の渦の中に巻き込まれると、何時までも熱に浮かれてしまうのか。日経09.5.10朝刊に「大収縮(した)グローバル危機(の)サインは見過ごされた」が載っており、何回か読んでみた。08(H20).9.15リーマンプラザが破綻して世界の経済が雪崩のように崩れたのはよく分かる。それではその前に予兆はなかったか。自分で考えても不動産投資信託(REITファンド)が上がりすぎと思ったり、新興国を代表するBRICsの、膨張の凄さは支えられるのかと思ったり、金余り現象は行き場を探して投資する競争になっているのかと、疑問を投げかけるときがあった。では何時からどうおかしくなったのかは、分からない掴めないままであった。
日経09.5.10朝刊の「検証グローバル危機」を読み直す。
(04年《H16》米国の経常赤字GDPの5.3%)
「米国人の借金は貿易赤字でみて一営業日あたり30億ドル(約3千億円)、こんな経済が長続きするとは思えない。(2005年春米コロンビア大教授ジョセフ・スティグリッツ)。米国の経常赤字は04年(H16)△6250億ドル(GDPの5.3%)。米国の借金を増やすことができたのは、新興国や産油国が米国債や住宅ローン証券を購入、世界の余剰資金が米国に還流していたためである。これをFRB(米連邦準備理事会)の議長のアラン・グリーンスパンは、経常赤字は「市場機能を通じていずれ調整される」と楽観的であった。
(05年《H17》大企業(GM)経営不安)
米格付け大手が5月、米自動車大手GM(ゼネラル・モーターズ)債格付けを投機的段階に引き下げた。これにより経営不安が表面化した。
(06年《H18》個人住宅下落に)
米住宅価格はFRBが最後に利上げした06年6月をピークに下落に転じた。12月にはロサンゼルス近郊で住宅金融会社が破綻、10~12月のサブプライムローン延滞率は 13%と4年ぶりに高水準になった。
(07年《H19》欧米の短期金融、機能不全)
サブプライムローンの残高は1.3兆ドルである。バブル崩壊が誰の目にも明らかになるのは、07年8月9日である。仏BNPバリバが、参加の3ファンドの解約の凍結をきっかけに、欧米の短期金融市場が機能不全に陥った。欧米銀行は傘下に巨額の資金を運用するファンドを抱えており、危機の本丸は銀行に移り、本格的な金融危機の引き金が引かれた。
(08年《H20》実体経済も雪崩)
銀行の資本が棄損し、金融政策の効果が伝わらなくなっていた。9月リーマン・ブラザーズが破綻すると、世界各地の実体経済は雪崩のように崩れた。
NHK1でも5月17日「超金余りはなぜ起きたか」を放映していたが、それらを合わせ考えてみる。大本はアメリカFRBが、空前の金余りを放置し今回の危機を防げなかった。このため株、不動産、特に住宅のリスクを増大した。
直接的にはサブプライムローン(収入の低い人向けの住宅貸付)問題がある。中古住宅の値上がりを前提に高い保証を与えてこれを証券化し、この金融商品を多くの人に売り、これが破綻したのである。
米国は基軸通貨ドルのうまみに酔いしれて、事故を起こしたことになる。過去の信用を利用し、過大にドルを発行しバブルを拡大した。一部の人が儲けるために世界中の人がその影響を受けている。
松井義近
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