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2009年2月22日 (日)

ブロック作り

Dsc01893 (松下政経塾茶室)

 もう去年になるがアメリカのリーマンブラザーズの破綻以来、信用は低下し、クレジットが利かないようになる恐れもあるという。ということは経済社会が縮小する。延長線上にない今までと違う世界が生まれることになる。ある人はドル時代の黄昏という人もいるが、1971年ニクソンショックで金・ドル交換停止になり、需給による変動相場制になった。力の下に信任されてきたアメリカのドルはいくらでも印刷することができる。最近の状況はドルもグローバル通貨として信任が低くなってきた。将来はどういう世界になるのだろうか。世界は地域別ブロックとなる考えもある。通貨もそこの地域のものとなり、ブロックごとに支えて生きる経済を考えねばならない。これからは地域戦略を注目してゆかねばならない。(2月16日 NHKBS1夜9時10分放送を参考にした)

 たまたま2月15日茅ヶ崎市と藤沢市の境にある「松下政経塾」に行く機会があった。「自治体経営改革プロジェクト~公開パネルディスカッション」である。場所は知っていたが内部に入るのは初めてである。遠くから見えた塔は「黎明の塔」、正面にある大きなアーチ門は愛・平和・正義・勇気を表わすという。中を案内してもらっていると剣道場があった。私自身は中学以来剣道を唯一のスポーツとしてきた。それも終戦までである。剣道には長い間人々がやってきた精神の伝統がある。剣道場を見てそんな“強い気”のよぎるのはやはりそれを愛しやってきたからかと思う。茶室もあった。中には松下幸之助氏直筆の掛け軸がある。「素直」である。この言葉は中学2年の時担任の先生が教室の入り口に掲げてくれた級訓である。意味深長であるが私の人生においても、人の意見を素直に聞くことの大切さ等意義深い言葉であった。あの偉大な松下幸之助氏が大切にしていた言葉であることを知り偉大さの背景を知るような思いであった。

 基調講演は早大教授北川正康氏、パネリスト多久市長横尾俊彦氏、浜松市長鈴木康友氏、藤沢市長海老根靖典氏、コーディネーターPHP総研永久寿夫氏で多士済済である。それぞれの地域から変えねばならないが、地域からなにを変えるか。権限を持つ中央官庁は今も縦割り行政である。国の権限委譲は作業の委譲だけであり、地域主権の日本に、我々が変えねばならない。日本の洗濯が必要である。アメリカのような軍事・外交の中央と、州のような道州制の問題も出た。ところで、浜松市は人口82万人の政令指定都市である。南部の都市部があり、北部は過疎的な地域である。そのための施策は多岐にわたり費用もかかる。実態を見ると、遠江、三河、南信の天竜川下流周辺の文化・経済域の関係が非常に強いという。横に長い静岡県で見ても東部・中央・西部で大きく違う。また特別市の中には大きすぎて住民が不便を感じている市もある。

 小さく町内会レベルで子供会を考えても、子供の数は減少し町内別の活動ができなくなっている。町内の子供会に対する補助金は多少あるようだ。町内会で子供会のない所は町内会からの補助金はない。なんだか世界レベルで考えても町内レベルで考えても同じような問題がある。そんな中で藤沢市は地域の人を信じて、とにかく進んでゆこうとしている。きっかけをつかめば大きく前進できるようにう。

                                        松井義近

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2009年2月15日 (日)

脳科学のパワー

Dsc01771 (遊行寺) 

 ビジネス書で人気の高い「脳にいいことだけをやりなさい」マーシー・シャイモフ著、茂木健一郎訳を家内が買ってきた。副題として「頭のいい人は『脳の使い方』がうまい!」とある。茂木先生は、NHK「プロフェショナル 仕事の流儀」で最新の脳科学を披露してくれるので興味を持っていた。早速読んだ。印象に残っていることについて感想を述べることにした。

1.ポシティブに考える。

 プラス志向、出来るという肯定で前進することは多くの人が触れる。中国の諺では「人間万事塞翁が馬」を例に話す。マイナス発想では目標に至らないことが多い。企業の診断中も首をひねることが多いのはこの場面である。「思考を喜びに向けるための効果的方法の一つは、ポシティブに考える、つまり“自分を幸せにしてくれる考えを選ぶ”こと」。神様は人知を超えた大きな力を持ち、昔は神様の言うことが宇宙の真理であった。現代は科学で示されることが宇宙の真理である。新しい脳科学で説明されると心からそう思う。

2.脳にいいこと

 「鏡に向かって自分を褒める。ただそれだけで自信がつきます。自分はダメな人間だと思いこめば、エネルギーは縮小し、幸福感は減っていきます。自己中心的でも傲慢でもなく、自分をあるがままに受け入れて長所を認めようとしているだけ」。「いい気分になる事実へと『視点を転ずる』・・絶対いいアイディアが浮かぶ筈」。「瞑想は大いなる力とつながる大切な時間」。「生活の中に精神性を見いだしている人はそうでない人より満たされた人生を送っている」。“自分をあるがままに受け入れて”を読んでいるうちに遊行寺で聞いた「ひろさちや」先生の「南無そのまんま」のお話しとどことなく似ているなと思ってきた。南無は「信じます」「帰依します」であり、あるがままの自分を認める人が、仏の心で、幸せな人になれますと。

3.長寿の沖縄の人とコミュニティ

 ドラッカーは「経営」の問題からコミュニティを見ていたと思う。その後地域コミュニティを重視してきた。私自身はドラッカーのそのような考えに啓発されて進んできた。この本では「世界の長寿男性・女性が日本、特に沖縄に多く住んでいる。・・その秘密は、沖縄の人々の世代間を超えた交流にあるようです」。「コミュニティ意識がどれほど個人の幸せに強い影響を与えるかを示す事例と言えます」。この「コミュニティ意識が個人の幸せに影響を与える」という。

4.胸のエネルギー

 昔、頭は智恵だけの働きで、心は腹にあったり胸にあったりと考えていた。ここでは「胸には強力なエネルギーの場が存在するというのは科学的な事実です。非営利の心理学研究組織ハートマス財団の研究者たちは、心臓が直径数十センチの電磁場を作り出していて、それは脳が作り出す電磁場の五千倍強力である」。これらのパワーを読んで、かつて体験し一生大切にしようとした、気功によるエネルギーを感じた。また、ケネディ元アメリカ大統領の「国が自分に何をしてくれるかを問いたもうな、自分が国に何ができるかを問いたまえ」という有名な言葉がスカーレットの物語として出ている。奇跡的に病気が治った婦人は「身体を使い、心を使い、お金を使って、まだまだ私は人のために何かをしてあげられる、それはこの上もなくうれしいことでした。・・自分のために『人が何をしてくれるかではなく、人の幸せのために『自分が何をしてあげられるか』を、何時も考えるようになりました」。これにより、杖なしで歩け、医者も信じられないようである。

                            松井義近

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2009年2月 8日 (日)

明暗を分かつ気と技

Dsc01887 (中小企業診断協会神奈川県支部の展示)

 リーマンショックの大津波でアメリカも欧州もBRICSも世界的な景気後退である。今や売上高の急減に見舞われている。日本の企業は円高も加わりさらに採算の低下である。日経09.2.5朝刊によれば電機大手のこの3月期連結業績予定は、日立▽7,000億円、パナソニック▽3,800億円、ソニー▽1,500億円、東芝▽2,800億円、富士通▽200億円,NEC2,900億円、三菱電機100億円、シャープ▽1,500億円弱、(大部分は米国会計基準)である。自動車と共に日本経済を支えてきた企業の数字を見て、日本はどこまで耐えられるのかと心配になる。

 明るいニュースはないか。同じページの左側を見ると日本マクドナルドホールディングス2008年12月期決算が出ていた。連結経常利益が182億円と前期比17%増である。売上高は3%増の4,063億円と過去最高である。外食企業が軒並み売上げを落とすなか、節約需要にマッチした100円メニューなどの「お得感」でうまく来店客数を増やした。同紙12ページを見ると、「消費者の志向を読み取る」の見出しの下、「山パン、全期営業益21%増、値上げ効果も」とある。山崎パンの200812月期の連結営業利益は、前期比21%増の250億円前後になったようである。原材料価格の高騰は響いたが、品質の改善を伴った値上げや、消費者の安値志向をくみ取った展開が効果を出した。売上高は3%増の8,000億円強とある。電機関係は輸出の影響が大きく、為替の円高をもろにかぶっている。マクドナルドも山崎パンも日本国内の需要を対象にした食の関係である。

 そんなことを頭に置きながら、同日(2/5)横浜で行われている「第30回工業技術日本見本市テクニカルショウヨコハマ2009」を見に行った。第2日目であり、お客の数はマアマアというところ。ここには(社)中小企業診断協会神奈川県支部でも3コマとって出展している。そのコマの近くまで行って、去年までと違う様子が訴えかけてきた。何が違うのか。前面にポスターが下がっている。そのポスターは多くの種類が2枚づつあり訴える力が違う。顧客と相談する机が四つあり、その席がポスターにより半分隠れている。全面解放したら落ち着かないし、全く閉鎖したら入る人はいなくなる。今までの後部壁面掲示から前進掲示し、しかもそのポスターは垢抜けした品を感じた。(後で聞いたら値段は前年と変わらないとのこと)私が行ったとき相談席はいっぱいであった。

 何故この変化が生じ、感じがよく、相談される人も増えたのか。今年はO理事が責任者として同期会の18期、19期、20期のメンバーでプロジェクトチームを作った。中小企業診断士に登録した3年間のクラスがこれを担当したのである。その中にはコピーライターの専門家もいる。物づくり、売上拡大、人づくり、IT関係と揃った人材が分担した。それをチェックリストに基づく「クイック診断」から始められる協働体制で進めた。自らの企画で推進するモチベーションの高いチームが出来上がったのである。このようなコミュニティは強い。1月25日号の「宴の夢からそれぞれの責任へ」でもドラッカーの言葉を書いた。「人は使命を共有し、情熱を持ってともに働くとき、最大の成果を上げる。」と。勿論これらは支部長・副部長や多くの先輩のリードの下に行われたものである。結果として「輝き」が出て、この人々が必ず中小企業に輝きを出してくれると固く信じて家に帰ってきた。

                       松井義近

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2009年2月 1日 (日)

深刻な不況と企業再生

Dsc01879 (寒中の紅梅)

 世界的な同時不況の影響は地方百貨店にも及び, 1月29日に丸井今井が民事再生法を申請したと報じられた。昨年9月~11月の本店売上高前年比は△11.0%である。このような中で日経ビジネス09.1.26号の「恐怖と鬱の経済学」(関沢洋一・清水栄司)の内容を注意深く読んだ。「プリントン大学のダニエル・カーネマン教授等が考案した行動経済学や神経経済学において、人の経済行動が理性だけでなく「感情」に影響されていることが(科学的に)初めて明らかにされた。・・経済学は、人間は経済的行為においては、理性的に判断するという大前提に立っていた。・・脳科学、認知心理学が明らかにしたのは人間は理性一辺倒になれる動物ではなく、理性(IQ=知能指数)と感情(EQ=感情指数)がバランスよく機能してこそ生きていいける動物だということ・・」。かねて考えていたことが出てきて強く同感した次第である。生活者は現実にはお金を持っていて品物を買うことができても、株価の下落等による逆資産効果、あるいは会社の経営が困難になり、給与の減少も起こる不安感を持てば消費を控えてしまう。

 1月29日「ニュースウオッチ9」を炬燵にあたり横になって見ていた。「懺悔の書」という中谷巌氏の本の話になった。私は起き上がってTVを注視した。たまたま前日本屋さんに行って高く積まれたその本を見てきたばかりである。規制がなく、好きなように、自由に、民活でやってきた数年前の反省であり、懺悔の書である。グローバル資本主義のもと競争を徹底した社会で人間の不幸が救いがたくなり、少数の人が多くの富を持ち格差がひどくなった世の中になった。人間は社会と一体になったとき始めて力を出す。お互いに信頼しあい過ごせる社会、社会のぬくもりを感じながら過ごせるコミュニティ、今はこれが必要なのだ。それぞれの国にも歴史があり心があり文化がある。経済学に不足するこれらを大切にしたコミュニティを作らねばならない。

 企業が破綻する直接的原因が資金面にあることは分かる。しかし、企業を再生させるには資金面だけでは不足で、借金を減らすだけでは一時的な問題解決であり、企業の真の向上はない。経済学者も金と物だけで押してきた極度の資本主義を反省している。金が重要であることはよく分かる。しかし企業はそこで働く人のやる気、モチベーションを高めない限り、真の企業再生にはなりえない。再生の中でモチベーションは経営者が考えろということで企業はよくなると考えているのだろうか。組織におけるモチベーションは、ドラッカーが言われるように大きな問題である。

 現在真理を紐解く物理学は単純明快な式を出す。例えばE=mcは美しいという。しかし人の世はそれを理解した上で複雑になる。科学の分野でも脳科学が発達し、心を持っている人間は心の満足に向けて進んでいる。金だけですべての問題を処理するのは難しいことになり、人間は金と物と共に心の豊かさを求める。事業でも情緒的顧客満足が大切であり、さらにお互いが信頼できる社会づくり、協働のコミュニティを作らねばならない。

                       松井義近

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