まちかど音楽祭と隣の芝生
湘南藤沢まちかど音楽祭2008を初めて見に行くことができた。入場券の予約が手に入って、開場時間前に会場に着く。行ってみると朝10時に並んで入場整理券を手に入れたグループが大勢並んでいる。私たち入場券を持っている人は別の列に並ぶ。もう一つ当日券を求める列もある。ならんでいる人たちを見て、この人達はどんな人達なのだろうかと直ぐに考えてしまう。10時グループは舞台の一番近いところに入りたい人であることはわかる。応援団だろうと思う。時間になり一通りの挨拶が終わって、演奏が始まってもみな静かである。ここは発表の場、マナーがいい。
このファイナルステージに選ばれた7組は、その前のセカンドステージが市内7か所の会場で行われ、そこで選抜された代表の7組が今回集まりグランプリーを争う。それぞれの会場は市の実行委員会に申し込んだ124組の申込者の中からテープで審査があり、パスした24組である。その中から選ばれたことは大変な競走であった。熱が入っているのもわかる。たまたまセカンドステージの会場になった商店街も負けてはいない。応援に熱が入る。皆商店街の名前にかけてグランプリーを狙う。
音楽が始まる。時々音が大きくなって体に響く。ガーンと胸に迫って痛みを感ずるほどである。私の座った椅子のそばでライトも音もコントロールされている。出場チームには高校生のグループ2組、男性グループと女性グループもある。一方プロではないかと思うようなグループもある。このようなコンペには審査員が見ている。この審査員にはあまり格式ばった人はいない。音楽のプロなのだろうなと思う。あまり肩肘張ってやっている感じも見られないし、話をしたこともないのに親しみを感ずる。音楽祭に相応しい雰囲気を醸し出している。
厳しい戦争の時代に育った我々と今の若い人達との間にはジェネレーションギャップを感じてしまう。昔の音楽の時間は唱歌である。楽器の演奏はない。今ほとんどの人は演歌が好きである。それはそれでいい。その歌を作る人、曲を作る人、歌う人みな違う。音楽祭に出ている人、シンガーソングライターはこれを一人でやる。自分で作詞し、自分で曲をそえ、自分で演奏し、歌っている。湘南藤沢で行う音楽祭だ。湘南のムードを打ち出してほしいのは審査基準で言われるまでもない。参加した顧客の方にも投票権があった。投票は二つのグループに○をつけて下さいという。なるほどなと思う。応援団としては地元選出に○をつけるだろう。するともう一つの方の○に意味がある。
投票し審査の時間が来る。その間去年のグランプリー「サマーソフト」が出演する。シティポップサウンドを持ち味として、心地よいリズムを軽快に演出する。サマーソフトの演奏が始まるや、前の方にいた一角がにぎやかになる。両手をあげリズムに合わせて手を高くあげ手をたたきながら共鳴している。ギャルの一群はこの時間を待って朝早く並んで整理券を取っていたのだ。ところで、明大の清水教授が元気だったころメキシコへ行かれた。帰ってこられて生き方を変えねばならぬとおっしゃる。ラテン系の明るい生き方に感じいるものがあったようである。
「サマーソフト」のホームは茅ヶ崎のようだ。茅ヶ崎と言えば加山雄三の歌が浮かぶ。開放的でおおらかである。今年東海道の旅で食べた昼食の店が茅ヶ崎であった。料理する魚加工場も開発途上、食べる席も狭い。けれど受ける全体の雰囲気に活力がある。江の島に行ったとき参道の店でお客が行列して買っている店があった。茅ヶ崎で創作した湘南名物「江の島タコせんべい」である。最近藤沢市内の量販店ギフト売場で陳列されていた。箱ものでない物もあり買って食べてみたがいける。茅ヶ崎からは江の島は彼方に見えるだけである。茅ヶ崎には小田原のような城もない。遊行寺のようなお寺もない。東海道五十三次の宿場でもなかった。けれど元気さを感ずるのは「隣の芝生は青く見えます」ことでもないだろう。今回の音楽祭は歌を作って演奏するものが多い。湘南らしい明るさ、心も輝く世界を基調に、湘南のムードを広く響かせられる。私の「経営の活性化プログラム」の業態構築第1条は「情緒的顧客満足(マインド)」である。なにより先にお客の情緒に訴えられるものが顧客満足になり売り上げにも結びつく。ミュージッシャン、これからは「君の歌があるから心から楽しい」といわれるようになって欲しい。隣の芝生も商店街もともに進もう。
松井義近
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