実現への思索
永年経営コンサルタントをやって来て失敗も多かった。なぜその会社はうまくいかなかったのかと考える。先方がこちらの言うことをやらなかったのか。そんなことはない、こちらの問題である。相手は立派な経営者である。少しばかり経営の勉強をした思い上がりの強い人間が何を言うのか。口には出さなくてもそう反発したくなることであろうと思う。コンサルタントは相手の欠点を見つけて、そこを徹底的に改善を図る。考えてみれば当然のことのように思う。しかし、相手にとってみればまずい点を厳しい言葉で聞くのは楽しいことではない。中小企業の経営者は会社と一体である。こちらの言い方によっては自分の身にしみることである。ましてや診断には相手がお金を払っているのである。お金を払っている人は一般的な言葉でいえばお客様である。だが中小企業診断士はもともと公共の診断をやるために生まれたので、お金を払うのは行政機関である。今は制度が改正され、国家試験に合格した民間の経営コンサルタントである。
お医者さんは人間の病気を治してくれる。特に外科的な手術は直してくれる先生に生命を預ける。お医者さんと同様、経営も破産の危険を改革せねばならない時がある。手術をして経営を再生させる。その様な時も含めて本当に経営を強化するためにどうあるべきか。健全な財務体質にすることは大切である。しかしその上に他と競争して企業が勝ち抜けるには、その持てるストロングス(強い点)を発見し、これをいかに延ばすかを考えねばならない。しかし人間は自分のことは自分で分かりにくい、これが普通のようだ。地域の発展も同じようなことがいえる。地域の持てるストロングスをいかに発見し伸ばすか。これにより他との差異化も進み、人々に認められる。人間の場合も、経営の場合も、地域の場合もこれを言う人がいなければならない。これを果たせるのが本当のコンサルタントであろう。そのためには経営コンサルタントも指導的立場にある人も、人間性を向上させ、技術的方法も磨かねばならない。私などがとやかく言える立場ではないが、これについて考え方とありかたを述べたのが「事業強化プログラム」である。
その中は「向上の三式」でまとめた。第一部理念と機会開発。第二部は事業分野ではA個店・B地域、第三部を人材面と大きく三つとした。経験的にいえば、行きづまった時に勉強し実際にやったのは「気功」であった。その考え方で、人材の中に三つのやり方を設定したのが行動特性1,2,3である。1、謙虚に学び志を立てる。浄化・感謝/傲慢・排他 2、ニーズ対応の得意技を磨く。調和・公平/エゴ・偏屈 3.志念エネルギーによる具現。生気・集中/邪気・散漫である。
技術的なことは本プログラムでは第二部で述べることになる。顧客に販売する人はどのように訓練するか。その中に「応酬話法」がある。反対処理の方法 ①直接法(yes) おうむがえし法ともいう。②逆転法(but) 話をよく聞き「しかし、そうおっしゃいますが・・」と話す方式。別に話法の基本的なものとして「暗示的な話し方」がある。①肯定的暗示 「その通りです。だから・・」と進める。②否定的暗示 「いいえそんなことはございません。ピッタリです。」と一度否定し、ピッタリで結ぶ方法である。イェスバット法と同類である。イェスバット法は街づくりを担当している久保田弘氏が、最も使う方法と推薦していたが実際に担当しての結論であろう。暗示的な話し方にはこのほか直接暗示、間接的暗示、疑問暗示、逆暗示等の手法も出てくるがここでは省略する。いかにして企業をよくするかはすべての事業について共通の課題である。自分は正しいと思っても相手とよく話し合わねばならないが、スムーズに進めるのは永遠のテーマか。
松井義近
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