2009年7月 5日 (日)

私の天地人

Dsc02159 (夏をひもとく朝顔)

 子供のころ祖父が家で茶の湯と活け花を教えているのを見ていた。活け花は三雅遠州流と言っていた。活け方を見ていると菊の花などを手で曲げていける。それである一定の形を作り上げる。形を頭に置いてその形になるように活けてゆくのである。祖父は筆と墨でそのモデル型を紙に描いていた。天と地と人であるというが、見て美しい7:5:3に活けるらしい。子供のころからそんなことが頭にあった。

 ある時韓国に遊びに行った。大分前になる。韓国の旗は中央に赤と青の巴が二つ描いてある。これはどういう意味なのか観光のガイドさんに聞いてみた。こういうことを聞く人はあまりいないのか、分からないから調べてきますという。翌日の説明で天と地であるという。他にも意味はあるようだが、私には何か不足に感じたのは言うまでもない。日本では巴は神社などで三つが描かれていると言うと、彼女曰く「天と地の他に三つ目は何か」と聞く。一緒に行った仲間が聞いていて「人がいる。天地人の三つだ」と答える。彼女は黙ってジーッと聞いただけであった。

 最近、昔担当した「中堅幹部育成講座」をチェックしていた。企業経営は理念も戦略もマーケティングも大切である。それはよく分かる。しかしどうやっても最終的には、たゆまず人材育成をした企業が成長している。日本の歴史を見ても、江戸時代から寺子屋教育があり、基礎作りに随分プラスになっていたと思う。明治になって急速に近代化が進められたのはこれらを含む日本の教育が基本になっていたのが分かる。

 そして「中堅幹部育成コース」を作ってみた。

  1.何をしたいか想いを決める。

  2.組織的価値開発

  3.プロセス(手順)計画

  4.行動力

  5.チェック、コントロール

  6.問題解決

問題だ、いや課題だと言われたこともあったが、問題を掘り下げ取り上げたテーマが課題になる。最近は掘り下げるべき問題で徹している。

 このNo.6の問題解決の中に「それは本質か」の項があり、次の言葉がある。

  顧客意識、原価意識、改善意識、団体意識、安全(健康、環境)意識である。

この5意識は新入社員訓練の冒頭のところで徹底する項目であるが、

 ・顧客が満足する。顧客に魅力的か。

 ・コスト減になる。・・市場競争の時代、積み上げ原価は通用しない。

 ・自分が向上する

 ・それぞれの力が発揮できる。

 ・社会環境に役立つ。

と説明が出る。これらを天・地・人でチェックするのが掘り下げである。「宇宙(自然)の摂理、土地の特質・文化、心豊か」になるかである。

 1.世の中は向上進化の連鎖であり、自然と調和する。

 2.真に美しい姿は他に尽くし共生する姿である。

 3.ポシティブな考えが心を豊かにする。

バランスが崩れると、人間は病気になる。会社は企業としての存在価値を失うことになる。一本道ではないから舵取りが難しい。

                        松井義近

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2009年6月28日 (日)

進化発生学とエコ

Dsc02136 (子供が放した合鴨)

 古鷹パソコンクラブに入った。このクラブは兵学校の同期の有志の会であり、昔は「貴様と俺とは同期の桜」の関係であった。前の戦争に負けて、それぞれの郷里に帰り、上の学校に行く者が多かった。その後は随分幅広い分野の仕事に携わっている。自衛隊もいたが、大学教授、銀行、建設、電気メーカー、自動車、新聞マスコミ、官公庁とおよそありとあらゆる分野に進んでいる。

 いま第一線を退き、これまで重ねた知識と情報網を基に、関連情報をネットで流してくれる。私自身は経営問題や関心がある情報、これまで取りえなかった裏情報等興味をもって見させてもらった。最近科学史・進化生物学を専門とするサイエンスライター・翻訳家の渡辺政隆氏の「生命38億年の旅―進化の物語を紡ぐ」を三明久兄がネットで送って下さった。光文社PR雑誌月間『本が好き!』の今月号までの2~5回分である。生物の進化については興味があるので一気に読んだ。第5回カンブリア劇場の最後の部分が強く私に迫った。『体のつくりが大きく異なる動物が生まれるには、相当大規模な突然変異が起きなければならない。しかしたいがいの突然変異は有害である。だが、そうした関門をクリアーして世に登場する突然変異体は「前途有望な怪物」だろう。かつてはこのような説もあった。しかし発生のメカニズムが解明されるにつれて、ほんの小さな突然変異でも、生物はがらりと変わり得るのだ。進化発生学(Evolutionary Developmental Biology)またの名をエボデボ(Evo -Devo)と呼ばれる研究分野の登場が、進化の研究に革命をもたらしたのだ』。

 この進化発生学は勉強したことはないし、新しい研究は知らない。しかし目が覚める研究だ。経営も人間も生きている。変わる環境に対応し確信を図ってきた。大きな革命が必要と叫ばれてきた。しかしこの研究からは「小さな変更でも生物はガラリと変わる」のだ。渡辺政隆氏の研究・翻訳、報せて下さった三明久兄に心から御礼申し上げます。

 さて、景気の底入れは発表されたけれど、直ぐによくなるとは誰も言わない。投資・輸出を見ても大きな変化はない。所得は増える見込みがないから将来に希望を持てない。しかし普段見ているテレビは画面が小さくなって見づらくなった。CATVに聞くと、メーカーでないと直せないという。販売店ではおきまりで古くなったからそろそろ・・・となる。国の定額給付金に加え、藤沢市では10%増の商品券が出た。別にグリーン電気商品にはエコポイントもつくという。早速販売店に電話する。エコポイントは経営者でないと分からないという。何に使えるのか調べてみた。6月19日271件が発表になったばかりである。政府は経済危機の前に比べ、エコ家電の売り上げは1.5兆円ほど増えると見積もっている。経済産業省は「現金給付と違い、ポイントは貯蓄に回らず需要創出効果は大きい」とみている。

 わが家でも古くなったテレビをエコ液晶TVに買い替えた。売れ筋は32型だという。今春より値段はさらに安くなった。でも量販店と比べると差はある。居間の隅に据えて小さな小さな劇場だと言って喜ぶ。みんなが喜べば大きな進化になると信じる。

                                          松井義近

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2009年6月21日 (日)

理(スジ)と情

Dsc02141 (庭のあじさい)

(岩には理がある

 司馬遼太郎氏の「この国のかたち」に「岩には理(スジ)がある」という言葉がある。前の戦争に負け、満州(中国東北部)にいた日本の兵士は強制的にシベリアに抑留された。極寒のシベリアで、食も十分でない生活に岩穴堀で苦しんだ人たちである。呉服屋にいた兵士はある人から岩には理があるから、その理を見つけ鑿(のみ)をあて掘れば効率よく掘れると教えられた。彼はその理を見つけ岩穴を掘り、ノルマを達成して日本に帰ってきた物語である。戦争中岩穴掘りを経験したことのある私は強い印象となった。中小企業経営も同じではないか。理を見つけ理に従って掘り進めれば生き残れる筈だと思った。以来この言葉を大切にしている。

 さて、経営方式を在来線から新幹線に変えるのも一つの選択である。投資信託にもいろいろのものがあり巨大化した。巨大化した株式投資信託は配当を高めるため「ものいう株主」になった。このためもあり、多くの企業が利益を優先させる考えをとり、日本人の元来もっていた人を大切にし社会を大切にする考えを忘失させた。とみに発すればまずしぼむ。アメリカ型の「株主最優先」「社員はコスト」の考えは見直されつつある。

 NHKTVクローズアップ現代、「人に優しい企業」が放映された。6月16日で私も見ていた。不況にも首切りなしの企業がある。その中の一つ長野県伊那市の食品メーカーは、「急成長は敵」を社訓として、48年間増収増益を達成した。利益を公共施設の建設など地域貢献に充てる姿勢に共鳴、全国から優秀な人材が集まる。これはあるべきコミュニティの実践である。ただ只管人材を養い、好況にも不況にも一定のリズムで、ひたすら研究し世間に役立っている。この形は在来線の列車で走る姿である。

(理を優先し情を添える)

 森脇兄から手紙をもらった。先日行われた分隊会関係のことと、「第58回日の会展」と「森脇ヒデ展、檮(とう)」の個展の案内である。日の会展は岡本先生を中心とする同好会の方々の出展である。場所が鎌倉であることから早速に見学に出かけた。多数の作品の中で森脇兄の作品はどこだろうと探す。見学者はまだ多くはなかったので家内と話す私の言葉が当日の当番の方の耳に入ったらしい。作品の展示場所を教えてくれる。勿論同好会の方で、絵について詳しい。私たち二人は作品「檮」の前に腰かけ見ていたが、何かしらこの絵は私に迫るものがある。私も植物は好きだが、この木は古い大木である。上に青い葉はない。しかし絵の白い部分に耳を当てたら吸い上げる水の音が聞こえるのではないかと思うし、生き抜くパワーを訴えてくる。得難い感動の時間であった。家に帰って個展案内で貰った写真をよく見る。こちらは訴え方が正面から来ている。大木の根っこの檮は生きようとする生命力を感ずる。絵は理屈をこえたパワーを訴えるが、この項冒頭の(理を優先し情を添える)は経営の神様松下幸之助氏の言葉であり、世の中は情を忘れては通らないことを教えてくれる。

                           松井義近

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2009年6月13日 (土)

願望・役割・徹底

Dsc02115 (育てた花菖蒲)

 以前実施したモチベーションサーベイを取り出した。このようなサーベイは部署ごとの集計と自由意見をまとめて報告するのが一般的である。このサーベイでもこの約束で実施し意見を書いてもらっている。しかし集計中にきわめて目に留まるものがあった。報告書には書かなかったが後で分析してみた。

 人材とは能力があってしかもやる気がある人であると考えていた。式で 人材=能力×やる気である。能力は智恵と技能で表され、やる気は使命感があり、積極的態度が必要である。今でも一般的には通る考えである。しかし、中堅幹部はあの手この手だけでは十分に世のため自分のために力を発揮できるものではない。途中で挫折しないためには全人格的なものが必要と考えるようになった。

 こんな背景の上にこのモチベーションサーベイは「モチベーションの期待モデル」を頭に置いてサーベイを組み上げた。

  モチベーションの期待モデル:(努力→成果の期待)×入手性×欲求の魅力度

 従ってサーベイの質問詞は3分野に分けた。さらにその中は11部門になった。

 (分野)       (部門)

1.仕事全般  1A仕事 1B仕事の期待 1C仕事のスタイル

2.入手性   2A事業 2B経営者 2C入手性(上役の管理)

3.欲求の魅力 3A給料3B労働条件、職場環境3C仲間、コミュニケーション

        3D自分の役割、尊厳 3E自己実現

欲求の段階はマズローの欲求の段階説を応用した。また1Aは現実の仕事であり、3Eは自己実現のためこんな風に仕事をしたいと同じ仕事でも区分している。

質問詞の順序は上記の順序そのままでなく答えやすいものを先にした。採点は強い肯定3点、肯定1点、否定△1点、強い否定△3点と2点差にした。平均点の問題と、△3点とした人の意味は強く考えねばならない問題という考えである。(注 △:マイナス)

 各部門を集計していると、ある部署で極めて高い採点の人A氏と、極めて低い採点の人B氏が目に止まった。概況を述べる。B氏は1Aから現在の仕事を移りたいと思っており、1B全体から現在の仕事に自信を持っていないことが分かる。2Aで会社の幹部から会社の将来を聞いていないとし、2C入手性(上役の管理)計はA氏△4、B氏△8とA氏もB氏も疑問を感じているが、レベルの差は大きい。特にB氏は給与の決め方は不公平、上役は仕事の成果を認めていないとしている。3A給与は世間並み以下、3C上役は意見を受け入れてくれない。3Dで仕事は任せてくれない、同じく昇進の機会はないと諦め、3Eは仕事のやりがいを感ぜず、これでは本人は伸びようがない。この人は本人の意識面から直さねばならないのではないかと思った。

 力が発揮できないB氏とは面接はできないが全般の状況からストレスがたまりバランスを失っているのではないか。本を読むとEQ(心の知能指数)が業績の75%を決めるという。EQを高めるとは 1、自分の感情を知りコントロール出来る。2、他人の気持ちを推察し共感できる。3、希望を維持し動機付けできるとなっているが、これを進めることは容易ではない。私自身もストレスは感じるし心の滞りは生ずる。その時は「願望・役割・徹底が強みを作り明日を創る」と唱え次をチェックする。夢・ビジョンが必要である。謙虚に学び、心を浄化し、志を立てる。役割は自己実現の場である。自己実現とは潜在能力を開花させることである。いくらいい墨を持っていても、硯がなければ墨をすれない役に立たない。徹底は徹底的にやること。集中してやること。いかに集中するかは、気功で習得した。これにより自分の強みを作り明日を創る。これは自分の生き方を知り自己の再発見となる。

                            松井義近

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2009年6月 7日 (日)

初めての田植え(こめこめクラブ)

 先日3日の夜NHKハイビジョンで、揚子江下流の8000年程前からの水田の米作りを見ていた。長い間引き継がれてきた農業のやり方を年寄りが守っている。牛で引っ張り田圃を掘り起こすやり方、日本から行った女子(元学生)も実習したが、重労働である。体がもたないでダウン。田植え前の「代(シロ)掻き」も牛で器具を引っ張り田圃をならしていた。

 藤沢市西部地区の中学校・小学校でも十数年前から学校・家庭・地域の三者連携事業として米作り体験学習を行ってきた。田植え、草むしり等に参加し、秋の収穫の喜びを味わうものである。この6月4日は田植えであった。藤沢公民館もバックアップしてくれている。早めに行ったが既に公民館のテントが張ってあった。

Dsc02087 (代(シロ)掻き)

 この前の5月2日、「代(シロ)掻き」を行った。凸凹の土を鳴らすのは大変だが、代掻き用のトラクターで掘り起こしながら平らに整地する。人はそのあとをならせばよい。これらの推進の中心は川村氏である。初夏の天気で、ボランティアで参加された人々もさわやかな風に吹かれて、家では味わえない気分だと喜んでいる。気分よく交流している形である。田圃をよく見ると去年の稲の根っこは見当たらない。この前にトラクターで掘り起こしてくれている。畔の周りは鍬で手作業の掘り起こしが行われていた。

 早めに集まった手伝いの方々、小学校5年・中学校2年の有志の親、「ボランティア葉っぱの会」の方、皆でテープを張る。田圃の両サイドに固定して張るテープ、30㎝ごとに印を入れてある。別に苗を植える時のテープをそれぞれの始める位置に置く。材料を集めてくれたのは学校関係や事務を引き受けてくれている西貝氏である。

 田植えに参加の小学校5年生が先生に引率されて続々集まる。みんな赤い帽子をかぶっている。通学時、赤い帽子の藤沢小学校と、黄色い帽子の本町小学校が来るはずである。おかしいなと思う。暫く考えてみた。何のことはない。通学用の帽子で田植えをやったら泥んこで汚れてしまう。スポーツ用の帽子をかぶっていたのだ。先生方も慣れておられる。子供達を集めて、農業の専門家長谷川氏が田植えの仕方を説明する。初めての体験の子どもが多いと思う。皆真剣に聞く。さあ田植えだ。うちの孫を見ていても、泥んこ遊びは好きである。だからというわけではないが、泥の田んぼに入るのにあまり抵抗がない人の方が多いようだ。ぬるぬるした田んぼの土の感覚を足で感じながら、テープの赤い印の向こう側に苗を植えてゆく。

スムーズに行っている。

Dsc02111 (市長と共に田植え)

 市長が見えられた。藤沢市は公民館を中心とした地域自治活動を推進している。この田植えも地域中心のコミュニティ活動である。市長は各学校を回りながら田植えに参加された。最後は「出張!市長室」でコミュニケーションを図る。これは大人の方が大喜びである。特別指導学級の生徒・児童には、民生委員や青少年育成協議会の方等が付き添ってくれている。結果的にはこの田圃の田植えが一番綺麗にできていた。

 小学校の子どもはいよいよ学校へ帰る時間になった。5年生の子供はいう。「腹が空いた」。

時計を見たら11時前である。「早く帰って給食が食べたい」。普段と違う田植えをし、よく動いたのだろうと思う。みんな元気でやってくれた。

 最後の田植えを中学校の生徒がやってくれた。後ろが既に植えてある。最後の2列をどうするか。2列目は並んで出ながら後ろの数人に植えてもらった。最後の1列は大人がやるしかない。田圃の真中に空きを作るわけにはいかない。ベテランの女性が最後の1列を植えて下さった。多くの人々が黙々とやって下さって無事に終わった。このような活動を進めてきた「こめこめクラブ」の方々、その支援をして下さった方々の「美しい姿」に感動して帰ってきた。

 これは学校の子どもたちも育つ、地域コミュニティのモデルになりえると思う。地域コミュニティは「それぞれの人が、それぞれの分野で、存在価値を持って、魅力的に活動する協働体」である。

                    松井義近

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2009年5月31日 (日)

グローバルバブル崩壊の前兆は?

(横浜港の黒船)Dsc02069

 日本でも1980年代のバブル時、株式も不動産も過熱し、その崩壊で経済が長い間低迷した。人間はそんな経験を持ちながら、過熱の渦の中に巻き込まれると、何時までも熱に浮かれてしまうのか。日経09.5.10朝刊に「大収縮(した)グローバル危機(の)サインは見過ごされた」が載っており、何回か読んでみた。08(H20).9.15リーマンプラザが破綻して世界の経済が雪崩のように崩れたのはよく分かる。それではその前に予兆はなかったか。自分で考えても不動産投資信託(REITファンド)が上がりすぎと思ったり、新興国を代表するBRICsの、膨張の凄さは支えられるのかと思ったり、金余り現象は行き場を探して投資する競争になっているのかと、疑問を投げかけるときがあった。では何時からどうおかしくなったのかは、分からない掴めないままであった。

 日経09.5.10朝刊の「検証グローバル危機」を読み直す。

(04年《H16》米国の経常赤字GDPの5.3%)

「米国人の借金は貿易赤字でみて一営業日あたり30億ドル(約3千億円)、こんな経済が長続きするとは思えない。(2005年春米コロンビア大教授ジョセフ・スティグリッツ)。米国の経常赤字は04年(H16)△6250億ドル(GDP5.3%)。米国の借金を増やすことができたのは、新興国や産油国が米国債や住宅ローン証券を購入、世界の余剰資金が米国に還流していたためである。これをFRB(米連邦準備理事会)の議長のアラン・グリーンスパンは、経常赤字は「市場機能を通じていずれ調整される」と楽観的であった。

(05年《H17》大企業(GM)経営不安)

米格付け大手が5月、米自動車大手GM(ゼネラル・モーターズ)債格付けを投機的段階に引き下げた。これにより経営不安が表面化した。

(06年《H18》個人住宅下落に)

米住宅価格はFRBが最後に利上げした06年6月をピークに下落に転じた。12月にはロサンゼルス近郊で住宅金融会社が破綻、10~12月のサブプライムローン延滞率は 13%と4年ぶりに高水準になった。

(07年《H19》欧米の短期金融、機能不全)

サブプライムローンの残高は1.3兆ドルである。バブル崩壊が誰の目にも明らかになるのは、0789日である。仏BNPバリバが、参加の3ファンドの解約の凍結をきっかけに、欧米の短期金融市場が機能不全に陥った。欧米銀行は傘下に巨額の資金を運用するファンドを抱えており、危機の本丸は銀行に移り、本格的な金融危機の引き金が引かれた。

(08年《H20》実体経済も雪崩)

銀行の資本が棄損し、金融政策の効果が伝わらなくなっていた。9月リーマン・ブラザーズが破綻すると、世界各地の実体経済は雪崩のように崩れた。

 NHK1でも5月17日「超金余りはなぜ起きたか」を放映していたが、それらを合わせ考えてみる。大本はアメリカFRBが、空前の金余りを放置し今回の危機を防げなかった。このため株、不動産、特に住宅のリスクを増大した。

 直接的にはサブプライムローン(収入の低い人向けの住宅貸付)問題がある。中古住宅の値上がりを前提に高い保証を与えてこれを証券化し、この金融商品を多くの人に売り、これが破綻したのである。

 米国は基軸通貨ドルのうまみに酔いしれて、事故を起こしたことになる。過去の信用を利用し、過大にドルを発行しバブルを拡大した。一部の人が儲けるために世界中の人がその影響を受けている。

                             松井義近

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2009年5月24日 (日)

自己再発見の旅

Dsc02053 (あいあいの哲理)

 前回の「5Sとゴール前」に書いた本棚などの整理整頓清掃清潔は今後も続くことだろう。その「もの憂いさ」を感じながら、本などの「ハード」の整理と同じように「ソフト」の整理が必要であると思いだした。自分のソフトはどうなっているか、診断協会神奈川県支部のホームページに登録したのを思い出だしてみた。第1部理念、第2部業態構築、第3部人材育成 である。永年経験した計数管理教室は第3部に加えればいいなと考えてみる。そこまで考えて、ふと頭に思ったことは、長い間蓄積したものをまとめたものばかりである。

 変化の時代に、自分のものは変わっていないなと思い、キーワードになる言葉をかえてみようと考えた。

 第1部 生き方(理念)なぜ生きるか

 第2部 業態構築(商業) 明日の業態を考える

 第3部 人材育成A(中堅幹部コース) 人材=能力×やる気

     人材育成B(計数管理初級・中級)数字は経営の言葉である

ということになる。考えてみて、これはこれでいいとして、どうして「感動」がないのだろうと思う。もっと新しい「感動」はなぜ起きないのだろうか。なぜ湧き出してこないのか。

 整理整頓清掃の余禄か「Syuugoroの格言集」が出てきた。作家山本周五郎氏の格言である。手にしてどうしてこれが手元にあるのか考えてしまった。インターネットに違いないと思う。これを学ばせてもらう。感受性のところである。「初めて見たものは一応感動する。価値の高いものにはとりあえず感動する。しかしそんな感動は、つかの間の快感を得るだけで、砂に水を撒くようなものだ。本当の感動というものは、同じものを見て、常に新しいものを発見する感受性がなければ得られない。そしてその感動から無限の創造性と可能性が生まれてゆくのだ。新しいものを発見する心は天分ではない。自分の目で見ようとすれば、誰でも得ることが出来るものなのだ」。

 感動から無限の創造性と可能性が生まれてゆく、と教えてくれる。今まで川喜多先生のKJ法を頭に置いて、カードを並べて進めた。もう何十年もやっている。これにより体系を纏めるのは頗る早い。そして一つのストーリーになる。けれどこれで創造性が出たと言えるかは疑問である。何か新しい考えと言えるものは、感動の中にあるようだ。Syuugoroの格言の中にある言葉が私に迫る。「感動する心があれば、自分の世界を持つようになる。育む心、愛する心を持つようになる。生きがいを持ち、自分の人生を築くことができる」。

 今までやってきたこと、これから死ぬまでやり続けるものは何なのか。何か思い当たる言葉があるなと思うが思い出せない。ずいぶん探した。自分が描いたメモである。「なぜ生 きるのか」のわきに「自己再発見の旅」とメモがある。今後もずっと自分探しの旅を続けたい。        松井義近

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2009年5月17日 (日)

5Sとゴール前

Dsc02019 《5S、清潔な施設》

(いかに捨てるか)

 1枚1枚の情報(中身)は必要になるときがあると大切に保存してあった。しかし5年たっても10年たっても一度も使わないものが多い。必要になったときどこにあるか探しきれないものも多いのが現状である。整理・整頓・清掃・清潔・躾は一般に5Sと言われている。情報ではデータを何時でも取り出せるようにファイリングするのが整頓であり、清掃は不要の物を分け、捨てる物を捨てないと大切な情報がゴミの中に埋もれてしまうことを言っている。また、現在情報の陳腐化は非常に早く、保守・整備(メンテナンス)しないと沢山情報を持っていても利用できない。これは清潔にしなければならないことである。

 今何か資料を入れようとするとスペースがなく、やむなく空いているところに一時入れ、次に探すとき苦労してしまう。本棚に詰まったものを整理して捨てないと後が入らない。物置の中はこれに拍車がかかった状況である。分類して燃えるゴミ、燃えないゴミ、資源ごみと分けて捨てることにした。まず物置から始め、スペースを作り、ここに本棚にあるものを選りわけて入れた。物置の中にはテープがあったり、個人情報のものがあり手間がかかる。よりわけ袋に入れて定められた日に出して行く。進めねばならないことは分かっていても、なんとなく物憂い仕事だなと思いながらやっていた。モチベーション・やる気が低いということか。

(勝負強さは脳がきめて)

 5月12日(火)NHKの「クローズアップ現代」を見ていた。「勝負強さは脳がきめて、ビジネスで生かす」であった。水泳の選手が200m競争で力強く進んでいる。いいぞと思っていると、150mを過ぎゴールが近づいてくると失速してしまう。技術のこともある、体力の点もある、しかし何かほかのこともあるのではないかと林医師は調べだした。脳科学は現在めざましい勢いで研究が進んでいるといわれている。その脳科学の理論で、達成したと脳が思うと失速するという。オリンピック金メタルを連続して獲得した選手も参加していた。選手は抜かれたと思ったら勝てない、否定的な言葉は使わないという。ゴール前になってもあと50mだ、あと30mだと脳が思い出すとそれが体に伝わり失速を始めてしまうようになる。私は詳しいことは分からない。しかしこの実験結果は実態に合っているなと思った。

 問題は集中力をいかに維持するかにある。解説で、集中しているが緊張してはいけないという。脳波については次の波長がある。30Hz~:γ(ガンマ)波、不安興奮の状態。13~30 Hz:β(ベータ)波、状況に応じ緊張している状態。8~13 Hz:α(アルファ)波、注意集中、ひらめき、瞑想の状態。4~8 Hz:θ(シータ)波、浅い睡眠、ぼんやり、瞑想の状態。~4 Hz:δ(デルタ)波:深い睡眠。これを見て言えるのは、誰でも不安興奮することはある。緊張したり、ひらめきが出たり、夢を見たり、そして深い睡眠に入って寝る。誰でも行うことはできるのである。茂木先生はリラックスに持ってゆく行き方として、大リーグ選手のイチローを例にあげ、体を何時も同じように動かし、体に覚えさせることと言われる。私は集中している状態を気功で学んだ。「学びて時にこれを習う」ことは不十分であった。

                   松井義近

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2009年5月10日 (日)

開国博Y150

Dsc02074 (日本大通りフラワーアートフェスティバル)

 横浜開港150年の記念イベントを見に行く。5月4日、日ざしは強くなく快適なゴールデンウイークである。桜木町駅を下りる。それまで地図が無かったので、Y150の地図を探し、やっと駅員からもらった。いつもは「みなとみらい」のランドマーク側へ歩くが、今日は汽車道を始めて通った。なんとレールがある。板張りの歩き安さ、周りの海やつつじの花で、落ち着いた散歩ができる。会場に入りまずチケットを買う。有料3会場一緒である。

 目の前の会場「Y150はじまりの森」に行列が並んでいる。とにかくここからと後ろに並んで会場に入った。黒船を率いてペリーが来て開国になったが、このペリーがもたらした三つの「たね」はなにかとある。さて三本柱は何だろうと考えた。蒸気船、鉄道、電信機。今当たり前に考えていることも最初にやるということは、すごく大きい事業であったことを改めて考える。開港150年の映画約20分もよくわかり納得して館を出る。外には巨大な「くも」高さ12メートルのスペクタルアートENEOS「ラマシン」が現れる。会場に来ながら歩道橋などに大勢の人が並んでいた。みなこの「くも」が動くのを待っていたのだ。横浜の街を劇場に変えるエキサイティング、と宣伝されていた。なるほどと思う。確かに人気がある。素晴らしいことだが、開港150年とこの巨大な「くも」は何が関連があるのか考えてしまった。

 2館目「Y150トウモローパーク」へゆく。スクリーンを見る。ソフトで強化され高度化した人間が最後は自滅、そして人間らしさをもとめて生き返るという筋かと思うが、高度すぎて意味を理解するのに苦しんだ。この会場も入場に時間がかかった。次の有料第3会場は90分まちと表示されている。えんえんと並んで待たされるお客、粛々と進み、みんなマナーがいい。しかし入って見たものは感動がない。中身が分かっていれば他に進んでいたと思う。開幕からゴールデンウイークの来場者数は約49万人と新聞に報道されていた。その中で有料入場者数は約11万人という。合点がゆく。

 外を進むと、海上保安庁の施設のそばに新しい「黒船」が繋留されていた。素晴らしくスマートで格好がいい。思わずカメラに収めた。赤煉瓦倉庫の近くは緑が多く、みんなのんびりと坐り好きなものを食べている。大桟橋埠頭も望める気分のいい場所だ。記念イベントを見るというよりのんびりと五月の風景を楽しんでいる人が多い。

 関内駅に向かう道、日本大通りにはいった。道路一面に花びらや葉っぱを敷き詰めてある。220mの“開港の花道”、当時の風景を花で描いている「日本大通りフラワーアートフェスティバル」。素晴らしい花絵が21枚である。そばにいた婦人が話しかけてきた。「チュウリップは新潟から、バラの花びらも海外で協力して貰いました。ボランティアの人たちが絵にならべたんです」と。市民の皆さんの気持ちが入っている。Y150、特定会場の催事だけではない、街の人たちが自分たちの街を盛り立てている。美しい「地域コミュニティ」の人たちと感じた。私たちもそのように動こうと思う。

                     松井義近

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2009年5月 3日 (日)

和洋融合の店開店

Dsc02048 《松月堂わびすけ》

(和と洋が一つの菓子屋)

 南仲通りを自転車で通った。和菓子の店の前に若い女性が大勢並んでいる。今日が開店日だと思いだした。この店は家内が和菓子を買う時に利用している。純和菓子の店で柏餅、十五夜の団子、祭りになるとお赤飯というようなものがすぐに頭に浮かぶ。ここの息子さんが洋菓子作りの勉強をしていることは聞いていた。三代目の息子さんの洋菓子と、二代目の現純和菓子の店とどのように展開するのか興味を持っていた。

(自作の看板)

 開店二日目家内と共に店に出かけた。表にご主人がにこやかな顔で立っておられる。大きな杉の木の根っこの部分だろうか大きな凝(コ)った看板があがっている。逸品である。簡単に入手できるような品ではない。そこに鮮やかに「菓子や」と書いて彫ってある。ご主人の書いたものであり、作ったものと聞く。看板の両脇には「鍾馗(ショウキ)」像が控えて魔除けの護符のようだ。和の店に相応しい感じである。

(ネーミングと和洋の融合)

 中で商品を見る。「おじいのマドレーヌ」・・「国産の米飴と蜂蜜を使用した、どこかなつかしい、やさしい甘さのマドレーヌ」。と書いてある。「おとうのどら焼き」・・「じっくり二日間かけて仕込んだ、つぶ餡を使用した、豆の薫りゆたかなどら焼き」。とある。そして「むすこのろーる」、親子三代続いた店であることはすぐわかる。それ以上に家庭的親しみを込めたネーミングである。「パイ饅頭」パイは堅めに焼いてあり、中の粒餡のかたさがいい。抹茶でくるんだケーキ、器にイチゴなどの実が載っている。ケーキかと食べるとプリン、後で調べると器は有田焼、そばつゆ用に使えそうだと家内が喜んでお勝手の戸棚にしまってしまった。この品は限定品のようだ。隣のパン屋さんも協力し、商売同士の感覚・協働の心を感ずる。この店の洋菓子を見ると、和菓子だけより洋菓子もプラスとなり、行く頻度が前より高まるだけではない。粒餡や抹茶の利用等和の味をうまく取り入れた新しい魅力が加わった店が出来上がったと思う。

(理念と新モデル)

 「しおり」が入っていた。「感謝 今日も朝から菓子にふれる幸せ 春の花 夏の風 秋の月 冬の空 藤沢の町と人が大好きで この町で菓子を作れる事に 日々 感謝 松月堂わびすけ」

 店の名前は「松月堂」、よく見るとそのわきに「わびすけ」と書いてある。「わびすけ」は椿の一種であり、大辞典で調べると、花は一重咲きで赤紅地に白の更紗模様がある。茶花に用いられるようだ。若主人に聞いてみた。「日本人は桜が好きだ。“わびすけ”は赤い花に白い模様が入った、味わいある花である。私はこの花が格別に好きだ。店を作るときはこの「わびすけ」を店名にしたかった」。個性豊かな若主人、しかし今回は「松月堂」を大きく、そのわきに小さく「わびすけ」が載っている。そして和洋融合のビジネスモデルを作り上げた様である。消費者に価値が認められてよく売れるビジネスモデルの仕組みを作り上げて下さるよう期待している。これで「しおり」の理念が実現される。

                         松井義近

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